一次産業を、かっこよくて・感動があって・稼げる3K産業に
勤めていた会社を辞めて小さな養豚業を営む実家に戻ったのは2005年の7月でした。起業を志して毎朝早く起きて出社前に勉強をしていた日々。どうしても実家の養豚業のことが離れず農業の本を買いあさって読み続けました。農業の世界は問題が山積み。
後継者不足が問題とよく言うけど、これは後継者不足が問題ではなくて、後継者が後を継ぎたくても継げない農業の仕組みそのものが問題なんだと気づきました。
実家の養豚業を何とかしたい。その時、学生の頃に行ったバーベキューを思い出しました。バーベキューを行えばお客さんからの喜びの声も直接聞くことができるし、価格の決定権も戻ってくる。バーベキューでうちの養豚業が変わるかもしれない。
頭の中で閃きました。そうだ、これまでの一次産業は生産から出荷で終わってどう流通して誰が食べているのかがわからない。おいしい物を作っても評価されない仕組みだったけど、生産からお客さんの口に届けるところまでを農家が一貫してプロデュースできれば、一次産業が かっこよくて・感動があって・稼げる3K産業になる!
実家に戻って親父の後を継いで養豚農家になろうと決意した瞬間でした。
ところが親父は「お前の言っていることは地に足がついていない」 「理想論だ」と取り合ってくれない。盆や正月、ことあるごとに話をし、とうとう「そこまで言うなら勝手にやれ」と事実上の許しを得て実家に戻りました。
うちは小さな養豚農家。人もお金もノウハウもありません。自分のできることから始めようと取り組んだのがバーベキューでした。友人知人にメールニュースを配信してお客さんを集め、毎月バーベ キューを開催しました。みやじ豚のおいしさと、一次産業をかっこ よくて・感動があって・稼げる3K産業にしたいという想いに共感してくれた方々が自分のコミュニティに戻って口コミをしてくださいました。
みやじ豚の噂は瞬く間に拡がりました。今では同業者からも「神奈川のトップブランドはみやじ豚だ」と言われるようになりました。
畜産業界の経営環境が非常に厳しい中、応援してくださる方々のお陰で何とかやっていくことができそうです。通常、ここまでくると規模の拡大を行います。ですが、規模の拡大を良しとせず、家族経営でできる適正規模を守って経営する道を選びました。レバレッジの利かない農業は家族経営が一番。小さいながらも生産からお客様に届けるまでを一貫してプロデュースできる農家は、素敵なお客様に囲まれて心豊かな人生を歩む事ができます。
でも、僕には日本の農業を変革する使命があります。自分の時間とエネルギーは全て、日本の農業を盛り上げるために使おう。この生涯をかけて日本の農業を変革しよう。そう決意しました。